スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています



にほんブログ村 本ブログへ

人気blogランキングへ

- : - : 

2010年2月読了本


JUGEMテーマ:読書

【01】02/04 悲しみよこんにちは フランソワーズ サガン
【02】02/09 後宮小説 酒見賢一
【03】02/10 センセイの鞄 川上弘美
【04】02/10 ポプラの秋 湯本香樹実
【05】02/14 カタブツ 沢村凜
【06】02/28 悪人 吉田修一
【07】02/28 東京バンドワゴン 小路 幸也
【08】02/28 パークライフ 吉田修一


悲しみよこんにちは (新潮文庫)




吉田修一「悪人」 方言が非常に懐かしい。
「東京バンドワゴン」はほのぼのでよかった。
今更芥川賞受賞作「パークライフ」を読む。うむ。芥川賞って感じ〜!という本でした。
吉田修一は「パレード」をさらに読みます。


今読んでる「フェルマーの最終定理」が終わったら
そのあとようやく「老人賭博」 そして「プリンセストヨトミ」!




にほんブログ村 本ブログへ

人気blogランキングへ

comments(0) : trackbacks(0) : 

Presents 角田光代

角田 光代
双葉社
¥ 600
心にじぃんとくる感じです
presents


以前、角田光代をものすごいけなしてしまった私なので、なんだかとっても
感想をいいにくいのですが(笑)

参考:ピンクバス

前回の「さがしもの」でちょっと見直し、
今回の「Presents」で角田光代好き!って言えるように

なりました。

「角田光代が好きって言える人がすごいと思う」

とか言っておいてです。
うわー!恥ずかしい!(笑)

ピンクバスも読みなおす必要があるかもしれないのですが、
読まなくてもいいと思います。
コレ以降の本を読めば角田光代の印象はきっと悪くないはずだ…!

友人に聞いてもピンクバスの評判はあまりよくないし…。

と話ずれましたが…


Presentsは「女性が一生のうちにもらうもの」というのが大テーマの短編集です。
はじめは「名前」から始まり最後は「涙」で終わる物語。

一つ一つのプレゼントがその人のかけがえのない記憶と一緒に語られていて
読んでいると、胸の中が熱くなる作品でした。

特に現在そうなのですが、昔のことや、昔大事にしていたことを
すっかり忘れて生活しています。
とても大事にしていたものや、何が好きだったかとか
両親に言われた言葉だとか
とにかくそういう大事なものが、自分の中から、ぽろりぽろりとこぼれていくような。
気づくことなく、少しずつ、とても静かに
失くして言っているようような気がするのです。

そんなときにこの本を読むと、こぼれおちる何かを拾い上げて
また大事なところにしまっておけるような気がしました。


小学生の時に先生から「いとしのエリー」を君の歌だと言って
ギターで弾き語りをしてもらったこととか

言葉がうまく話せない病気をもつ仲の良い男の子が
初めて口にした言葉が私の名前だったりとか

それはモノではないけど
プレゼントだったと思う。

そして忘れるにはあまりにも惜しいプレゼント。

皆持ってると思います。
大事なもの。
いろんな人からいろんな形でもらったプレゼント。

Presents

読めばきっと、思いだします。
そして、もう少し今を、大事に生きようって
思えると思う。


普段は忘れていても
たとえ、ひとときだけでも
誰かか思い出すことができるのは素敵なことです。

良い本に出会ったなあと思いました。
なんか年をとるごとに涙腺が弱くなってきたので、
いわゆる「泣ける」とは断言できませんが
目の奥ににじわ、ときました。


角田光代さんほんとに申し訳ないです。
前言を撤回して、いいます。
好きです。

JUGEMテーマ:読書



にほんブログ村 本ブログへ

人気blogランキングへ

comments(0) : trackbacks(0) : 

ブラックペアン1988 海東尊

海堂 尊
講談社
¥ 440
面白かったです
海堂ファンにはお勧めですが・・・
懐かしい雰囲気

海堂 尊
講談社
¥ 440
青春小説
海堂尊氏の小説は読み納め
この作者になぜ直木賞がいかないのかホントに不思議だ


ブログに書くの、この作品がはじめてとか意味わかりませんが(笑)
いちおう「チームバチスタの栄光」「ナイチンゲールの沈黙」「ジェネラル・ルージュの凱旋」「螺鈿明細」は読んでいます。
後で……感想書けるかな…(不安)

そんなこれらの続編…と言いたいところだけれど、「ブラックペアン1988」は
タイトルどおり1988年のお話で、前作のお話よりも昔の時代のお話です。
でも出てくるのは見知った人々とあって、心踊る一冊なのでした。

そう、高階さんが若いのなんのって、え、こんな格好良い先生だったの!?
うわー惚れるー!
ってな勢いのなんというか溌剌として大胆不敵な医者なわけですよ。
速水先生の無謀さを弱めて、白鳥から毒を抜いたみたいな感じのを足して2で割って
攪拌してから丸めたみたいな感じの(意味不明)

そして主人公の世良先生も若々しくていい感じです。
読者の目を通すのに丁度よいぐだぐだ感がたまらんです。
全然変わらないのが黒崎教授だったりするんですけど、柿谷先生も若くて
こんな若い時代もあったのだなあなんて、にやにやしてしまいました。

藤原さんの現役なんかも垣間見えてファンにはたまらん作品だと思います。

毎度のこと、医療問題をさしこんでくる海堂先生ですが、今回は新技術の導入が
いかに難しいかについて、とてもうまくお話に組み込んでました。
古い体質を変えるのってとても難しいよなあと、毎度考えさせられます。
医療だけでなく、他の分野にもいえることだったりするので
身につまされる思いがします。


そして最後に!
高階さんよりさらに若い若い速水、島津、田口にも注目!
ちょい役なのににやにやすること間違いなし!
特に速水先生は最高です!!!

JUGEMテーマ:読書



にほんブログ村 本ブログへ

人気blogランキングへ

comments(0) : trackbacks(0) : 

本格小説 水村美苗

水村 美苗
新潮社
¥ 820
セピア色の紗がかけられた絵葉書を見るような
嵐が丘に引けは取りません
低俗のようで最高に面白い小説

水村 美苗
新潮社
¥ 740
現実と虚構の境目はどこに?
二回読んでしまうロマンス
本格小説 下


JUGEMテーマ:読書


最初「本格小説」のことをアンフェアの原作と勘違いしてて
友人に「それ推理小説とちゃうか」と突っ込みをいれられました。
まさにまさに、アンフェアの原作は「推理小説」でした…。
とんでもない勘違いをしたまま「本格小説」を読む羽目にならなくて良かったです。

この「本格小説」はエミリー・ブロンテの唯一の著作「嵐が丘」を日本版にしたような
物語なのですが、まさかこれと「推理小説」をごっちゃにしてたら、最初は
あれ?アンフェア…じゃないの?
みたいなとんちんかんなことを考えなければならなかったに違いない…。
こちらは荘厳な小説でございました。
失礼。

底本が「嵐が丘」なのですが、前半は「長い長い物語の序章」ということで
作者と思しき「美苗」という作家の女性が、東太郎という人の物語を元編集者に
聞くまでのお話です。
これがまた長い!
前半の250Pくらいを序章に費やすという大胆不敵な書き方です。
でもちっとも気にならないくらい、それはそれで物語として成立しているので
じりじりすることはあまりありませんでした。

作者が東太郎と会ってどのように思い、どのように接してきたのか、
彼がどのような態度であったかを客観的に知ることができる下地部分でもあり
ああ、あれはこういうことだったのか、と後半で納得できるようになっています。

そして後半の物語が始まるところもうまい。
元編集者がであった、東太郎の女中から聞いた話という体で始まる物語。
あたかもヒースクリフとキャサリンのような東太郎と、よう子の関係をはじめとして
三枝家、宇田川家、重松家というお金持ち一家の複雑な関係
独特の性格など、なかなか読み応え満点の世界。

途中から嵐が丘のことはすっかり忘れるくらい、独立したお話でした。
まさに「本格小説」です。


この小説に出てくる「よう子」という女性がとても複雑な人で
どのような正確かつかめないというか
美女ならまだしも、それほど美女ではないのに、見目麗しい二人のまったく
性格の違う男性に愛されて死んでいくのですが…
その三人の関係もとても不思議で…なんともいえないものがありました。

そして語り手である女中の富美子という人の人となりが語りに現れているのも
印象的でした。
彼女がひそかな思いをとどめているのが、なんとなく文章から読み取れるようで
最後のあたりを読むと、腑に落ちるという心地がしたというか…。

何重もの恋の物語をいっぺんに読んだような気がする本でした。






にほんブログ村 本ブログへ

人気blogランキングへ

comments(0) : trackbacks(0) : 

街の灯 北村薫

北村 薫
文藝春秋
¥ 500
レトロな香り
時代設定がたくみ
悪意のない物語


舞台は昭和7年。学習院女子高等科に通う、士族のお嬢様が主人公。
まだ、身分の差や貧富の差が明確だったころの、お金持ちのお嬢様が
日常で出会う不思議な事件やミステリーを、運転手の別宮ことベッキーさんと
ともに、解決していくお話。

昭和のはじめという時代は私にとって未知の世界である。
この年代に生まれてきたものならば、誰もがそうであろうが
10円でとてつもなく色々なものが買える時代であり、人と人の間に
身分が色濃く残っている時代でもあった。

それって今、このときに生きている私には知りようのない過去で
触れようのない過去なんだけれど、北村薫の描く世界に浸っていると
あたかも、自分がその場に立って物事を見てきた気分になれる。

まだ身分の差があって、お姫様と呼ばれていた時代…
ごきげんよう、この方、聞きなれない言葉遣い
軍人さんの宿命…。

生粋のお嬢様であったら、きっともっと堅苦しい心地がしたのだろうけれど
主人公の少し庶民的で、好奇心旺盛で、自分の身分をよくわかっている
身の振り方から、身分の高い人々の暮らし、逆の人々の暮らしを垣間見ることができる。

自分の中にしみこんでくるような文章だった。


懐かしい映画の名作、一度は聞いたことのあるような音楽の名前
古典で名作と知られる作品の数々。
時代のトレンドとして、出てくるものごとは
今、改めて手に取るようなものではないのに
語られる言葉の美しさに、一度目を通してみよう、耳を傾けてみようと
心をくすぐられる。

古典の掘り起こしという点においても、とても優秀な作品なのではないかと思う。

日々主人公の周囲で起こっているミステリーは当然のように
好奇心をかきたてられるものであるが、この作品の魅力は
時代をうまく切り取ることができている点も大きいのではないか。


本をとじると、ほっと息をついて、生きたことのない時代に思いを馳せる。
そんな心地を味あわせてくれる作品。



にほんブログ村 本ブログへ

人気blogランキングへ

comments(0) : trackbacks(1) : 

竜馬がゆく 1巻 司馬遼太郎

司馬 遼太郎
文藝春秋
¥ 660
歴史小説の最高傑作!!
止まることを知らない龍馬の青年時代を描く。
史実じゃなくても

JUGEMテーマ:読書

「竜馬がゆく」を年末から読んでいました。
世間で「龍馬伝」旋風が吹き荒れるなかでの読書だったので
みんなに、「ああ、龍馬伝」と言われていたのですが
まったくもって、竜馬の流行によって読み始めたわけでも
なんでもなく、本読みSNSの人々の推薦120冊に入っているので
折を見て読みだしただけなのでした。

どうみても流行に乗っているだけなのですが…。
違いますと、敢えて主張します。

そんな複雑な思いで読み始めたのですが
ページをめくるのがもどかしいほど面白い…!

竜馬という人の、人となりというのが自然と心の中に沁み込んで
人物像を私の中で形成していきます。
司馬さんの語りが巧みなのが手伝って、難しい歴史の背景も
難なく受け入れられるのが良いです。

そして読み進めるうちに、いよいよ普通の人物でないのが浮き彫りに
なってきて、自分と比較ばかりしていました。

私は同じ年頃どうしていたのか、今の考え方と彼の生き方は
あまりにも違うなあ…など。

剣の修行をして、道場を開くというのが最初の目的だった竜馬。
免許皆伝を取ったあとも道場を開くことなく、
脱藩して長州藩と薩摩藩の仲を取り持ったり、海援隊作ったり、
勝海舟と日本を廻ったりそれはそれは大活躍です。

私が同じ立場だったら得意げに、道場開いて平凡な田舎道場の先生で終わる
ことが間違いないせいか、この竜馬の動き方には度肝を抜かれました。

創作色は強いらしいのですが、それでも彼のしてきたことは史実として
残っています。それなりの人物だったことは確かです。

たとえ昔の人といえど、なんだか呆然とするほどに
自分の人生とかけ離れていて、
単純に楽しむというよりは、考えさせられることが多かったように思います。

年相応に迷いながら、考えながら生きていく彼を見ていて
私ももう少し人生や社会について、何かしら考えてみようと
思いました。

あまりにも時代に流されて生きているような気がして
目が覚めたような気がしたのです。

今、結構流行ってますし、おすすめの作品です。

私は現在7巻を読んでいますが、1巻でそうそうたるメンバーがちらちら
登場していて、そういう人間関係を読み取るのもとても面白い作品です。
これを読んでいると、幕末物の映像作品などは、かなり理解がはやくなり
より一層楽しめるのではないかと思います。


ちなみに、竜馬について、常に話題になるのが演じる俳優であると
思うのですが…(笑)

私のベスト竜馬は「JIN -仁-」の内野聖陽さんの竜馬でした。
友人のベストは、「竜馬がゆく」の上川隆也だそうです。



JIN-仁- DVD-BOX
DVD
角川映画
(参照日:10.01.21)
価格:¥ 17,538
定価:¥ 23,940
OFF:¥ 6,402(26%)
平均評価:評価:5.0
納期:近日発売 予約可

私の中では内野竜馬が今までの中で一番です。
あんな竜馬見たことない。
うますぎて、たまげました。


竜馬がゆく [DVD]
DVD
TBS
(参照日:10.01.21)
価格:¥ 5,489
定価:¥ 6,930
OFF:¥ 1,441(20%)
平均評価:評価:4.5
納期:在庫あり。


にほんブログ村 本ブログへ

人気blogランキングへ

comments(0) : trackbacks(0) : 

あしながおじさん ジーン・ウェブスター

ジーン ウェブスター
新潮社
心あたたまる素敵な物語
大人になってからこそ読みたい本
ジュディの前向きさがいい

JUGEMテーマ:読書

年明けは、「あしながおじさん」を読んでいました。
北村薫の「街の灯」で英子お嬢様が読んでいる描写が出てくるのですが
それがとても素敵だったのです。

私の知っている「あしながおじさん」は世界名作劇場で放送されていた
アニメの「わたしのあしながおじさん」で、原作を手にとったことは
なかったんですよね。

改めて読んでみると、主人公の設定がアニメよりちょっと上だったり
古い文体で書かれていたり、新鮮さがありました。
また、アニメを全部真面目に見ていたわけではなかったので
彼女の生活の様子を詳細に知ることができるのもすごく良かった。

書簡だけでこれほど、リアルに主人公の生活が感じられるものかと、
まずその点に驚きました。
書簡というのは、書くものが話題を取捨選択できるものです。
だのに、ジュディの生活ぶりや、何に興味があって、何がしたくて
誰が好きなのか、それが読む者にひしひしと伝わってくるのです。

そして、書簡を通して、主人公の複雑な性格も
悩みも葛藤も感じることができます。
初めて自分のお金で物を買う喜び、選ぶ楽しみ、
彼女が経験するひとつひとつの、ともすれば、普通の人間にとってとても小さなことことが、
大きく大きく脳裏に刻み込まれるのです。

アニメでジュディは、用意された部屋を見て狭いと不満を漏らす金持ちのルームメイトに
「あなたってかわいそうね」と言います。「とても素敵な部屋じゃない」と。
何でも持っていると忘れてしまいがちな、自分の恵まれた立場や状況に
感謝せねばなあと、はっとさせられる場面でした。

そういう、なんでもないことをいろいろ学べるとてもよい小説です。

アニメのジュディの無神経さは、ちょっといらいらさせられますが
小説のジュディは少し落ち着いていて、ユーモアあふれる素敵な女性です。



にほんブログ村 本ブログへ

人気blogランキングへ

comments(0) : trackbacks(0) : 

2010年1月読了本


 JUGEMテーマ:読書

【01】01/01 あしながおじさん ジーン・ウェブスター
【02】01/06 ドミノ 恩田陸 
【03】01/09 ブラックペアン1988 海堂尊
【04】01/11 火車 宮部みゆき
【05】01/19 本格小説(上) 水村美苗
【06】01/20 本格小説(下) 水村美苗
【07】01/24 竜馬がゆく 7巻 司馬遼太郎
【08】01/24 竜馬がゆく 8巻 司馬遼太郎
【09】01/26 Presents 角田光代
【10】01/27 クレヨン王国の花ウサギ 福永令三
【11】01/28 それからはスープのことばかり考えて暮らした 吉田篤弘
【12】01/31 千年の黙 異本源氏物語 森谷 明子
【13】01/31 クレヨン王国いちご村 福永令三


あしながおじさん (新潮文庫)ドミノ (角川文庫)ブラックペアン1988火車 (新潮文庫)
本格小説〈上〉 (新潮文庫) 本格小説〈下〉 (新潮文庫)竜馬がゆく〈7〉 (文春文庫)竜馬がゆく〈8〉 (文春文庫)
Presents (双葉文庫) クレヨン王国の花ウサギ (講談社青い鳥文庫 (20‐2)) それからはスープのことばかり考えて暮らした (中公文庫)千年の黙 異本源氏物語 (創元推理文庫)
クレヨン王国いちご村 (講談社青い鳥文庫 (20‐3))


1月は13冊!
私的にはよくやった!

スープがすごく良かったです。
あと源氏物語は原作スピンオフ的な感じで楽しめました!



にほんブログ村 本ブログへ

人気blogランキングへ

comments(0) : trackbacks(0) : 

2009年12月読了本

JUGEMテーマ:読書

【01】12/02 竜馬がゆく 3巻 司馬遼太郎
【02】12/10 竜馬がゆく 4巻 司馬遼太郎
【03】12/17 竜馬がゆく 5巻 司馬遼太郎
【04】12/24 竜馬がゆく 6巻 司馬遼太郎
【05】12/31 鷺と雪 北村薫

竜馬がゆく〈3〉 (文春文庫)竜馬がゆく〈4〉 (文春文庫)竜馬がゆく〈5〉 (文春文庫)竜馬がゆく〈6〉 (文春文庫)
鷺と雪


「竜馬がゆく」を図書館で予約していたのだけれど、
なぜか8巻しか来ず、読破できないまま年越し。
代わりに、直木賞受賞作をゲットしたので、北村薫でしめた2009年でした。
思えば北村薫と司馬遼太郎の年だった…。
竜馬に意外と時間がかかり、5冊で終わりました。


にほんブログ村 本ブログへ

人気blogランキングへ

comments(0) : trackbacks(0) : 

風が強く吹いている 三浦しをん

三浦 しをん
新潮社
¥ 1,890
ファンタジーでもいいじゃない
いいじゃん!青春
映画の後


 
JUGEMテーマ:読書


駅伝、この熱いテーマをどうやって描くのかと、はらはらドキドキしながら
表紙をめくった。何を隠そう…私は駅伝オタクだ。
毎年テレビで放送される駅伝は欠かさず見る。
特集番組も、箱根駅伝の予選会も見る。
選手の顔と名前、はては5千メートルと1万メートルのタイムすら覚えている。
そんな駅伝オタクなわけだ。
ちょっとやそっとのストーリーではびくともしない気分でいた。

駅伝は、マラソンと違ってチームプレイだ。
でも、走るときはたった一人。
世の中にこんなチームプレイとはあるだろうか。
本番は一緒に汗を流して走らない。
ただ、メンバーがたすきを繋いでくれるのを祈るだけ。
メンバーの力を信じるだけ。

甘くはない。
長い長い戦いなのだ。


この本は、およそ陸上とは無縁の人たちが、箱根駅伝で走り抜けるまでを描いた青春小説である。
どうやって箱根を目指すのか、それはそれは丁寧に、描かれており、作者の並々ならぬ取材と情熱を感じた。


10人全員各々のにきちんとフォーカスされて描かれており、読んでいるうちに
頑張れと何度思ったかしれない。
それは私が、並々ならぬ駅伝ファンだから故に、よりそのような強い思いを抱いたかもしれない。
駅伝というのは、本番になるまで、そのとき、その瞬間が訪れるまでどうなるかわからない。
調子の良い選手が突然、足を引きずり出したり
苦しそうに走っているのに少しもスピードが落ちない選手がいたり
昨年の先輩の悔しさを背負っていたり
選手の背景もさまざまだ。
ずっと箱根駅伝を見続けてきて、色々なドラマを見てきた。
だからこそ、1区1区の悔しさや嬉しさ、くず折れてチームメイトに拝んで謝る姿
それがリアルに思い出される。
自然と応援してしまう。

リアルだった。
正直素人が普通に箱根駅伝に出るようになるのは難しいだろう。
でも、ハイジの情熱と行き届いた指導方法が丁寧に描かれているせいか
すんなりと受け入れることができ、
しまいには一緒に大手町から鶴見、鶴見から戸塚、戸塚から平塚、平塚から小田原と
走っている気分だった。

順位の流れもリアルで、ほんと、何位でゴールするのかハラハラドキドキ
最後のハイジの走り場面では手に汗にぎる思いだった。

これはちょっと早い箱根駅伝だった。
来年正月も、きっと、テレビにかじりつく。
寛政大学という架空の大学があたかもそこにあるように、それはとてもリアルだった。

中に出てくる登場人物もそれはそれはリアルで…
なんというか実在の人物をオマージュしているところがあるように思う。
オールバックの監督とか。
大学の名前もいい具合にミックスされている。
東京体育大学とか(笑)
真中大学とか
それから六道大学の藤岡くんは…名前が駒沢の藤田くんで、走りは島村くんを
彷彿とさせました。
9区の抜きっぷりも島村くんの走りを思い出します。あの島村くんの走りが
駒沢4連覇の始まりでした。

寛政大学はどことなく城西大学を重ねてみてしまいます。
城西大学箱根を目指し始めて地道に予選会を繰り返し、箱根出場を毎度のこと
実現し、今ではシード権争いを演じるまでに成長しています。
彼らがシード権を獲得した年のことを思い出しました。

駅伝にはドラマがあります。
2006年、箱根8区。順天堂大学で1位を走っていた難波くんが突如走れなくなってしまいます。
それまで1位を走っていたのに駒沢に追いつかれ、あっさり抜かれてしまうのです。
優勝を確信していたチームメイトにどれだけ申し訳ないと思ったことでしょうね…。
しかも、難波くんは主将だった。
その責任の重さ、計り知れないです。

でも
順天堂の子たちって凄く良い子で。
難波くんは06年当時4年生だったからリベンジできなかったんだけど
07年のメンバーが難波先輩のために走りましたと、口を揃えて言うのです。
その年、順天堂は優勝しました。
優勝のテープを切るその瞬間、大手町で、難波くんは泣いていました。

駅伝の絆ってスゴイです。

そんなエピソードの一つに、なんだか寛政大学の子たちも混ざれるなあと思って
すごく嬉しかった。

一足早く箱根駅伝楽しめてよかったなあ。
映画も見ようと思います。

正直、ハイジに小出くんはずるいと思います。私の中でイメージがぴったりすぎます(笑)



にほんブログ村 本ブログへ

人気blogランキングへ

comments(0) : trackbacks(0) : 
<<  3/23P  >>